事故物件には住まないほうがいい?
事故物件とは?
事故物件と呼ばれる物件とは、過去の住人が自殺・他殺・事故・孤独死などで、この部屋で亡くなった物件のことです。事故物件の場合、事故や事件が起きてから3年間は告知の義務があります。賃貸の物件情報を見ていくと、備考欄などに「告知事項あり」や「心理的瑕疵あり」と記載されている場合があります。
2021年以降に発表された心理的瑕疵についての取扱いガイドラインでは、自然死や家庭内の事故死に関して告知義務はないとされたため、過去に事故物件と分類されていた物件でも、今では告知されずに掲載されている可能性があります。ただ、孤独死などで発見が2週間以上経った場合の告知義務は必須です。
事故物件の告知義務とは?
人が亡くなった場合の告知義務のほかに、建物の欠陥や不具合についても告知義務があります。種類は4つ、環境的瑕疵、法律的瑕疵、心理的瑕疵、物理的瑕疵です。
環境的瑕疵は、高速道路や基地付近での騒音や振動、異臭などがあったり、宗教団体や暴力団関係施設があったりする環境では告知が必要です。
法律的瑕疵は、家や土地を購入する際に再建築できない物件の場合や法律上の建築制限が課せられている場合に伝える内容になります。賃貸の場合、基本的に関係ありません。
心理的瑕疵は、マンションやアパートの部屋もしくは建物内で自殺や他殺、事故死などがある場合に告知義務があります。
物権的瑕疵は、建物の老築化で傾きや雨漏り、シロアリや害虫など、生活に支障をきたすほどの欠陥がある場合に必要です。
自然死だった場合でも、発見が遅れて特殊清掃が必要な場合などは事故物件とされます。
一般的な物件では3年で時効になりますが、借りる際に心理的瑕疵があるかどうかについて質問された場合は、隠さずに説明する義務があります。また、大きな事件でニュースに取り上げられた物件の場合にも時効はありません。
事故物件が安い理由
事故物件は安いイメージがついていますが、ガイドラインや法律で定められているわけではありません。
一般的な賃貸物件と比べると2割から3割程度安く設定されることが多いようです。仮に地域の相場が50,000円の部屋で、3割安い金額を計算すると35,000円です。金額を見てすぐに事故物件だと分かる人もいるでしょう。
大家が賃料を決めている
事故物件は告知義務があるため、広告掲載する際に記載する必要があります。そのため、事故物件への問い合わせは他の物件と比べて少ないのが現実です。空き部屋を3年も放置するのは大家としてはデメリットでしかありませんので、安売りは入居してもらうための妥協策と言えるでしょう。安さを重視していて心理的瑕疵を気にしない人も稀にいますので、空室を作らないためにも値引きして掲載するようです。
また、SNSや映画などで事故物件が安いというイメージが定着しつつあるため、家賃を下げるという状態でもあります。ただ、一度事故物件に入居者が入って退去したあとや、3年契約などの期間更新の時期に値段を戻す場合が多いようです。
セキュリティ面や霊への不安
事件があった物件の場合、建物のセキュリティ面が心配です。事故があったからといって、セキュリティ強化する義務はありませんので、何も対応されていない場合があります。事件のあとにセキュリティを強化された物件であれば安心できるかもしれませんが、何も変わっていない状態であれば個人でセキュリティ強化しておくことをおすすめします。安い分、出費が増えてしまう可能性があるでしょう。
また、事故物件では霊が出ると言われていますが、霊感がない方でも部屋の雰囲気が怖いとか、日の入りにくい部屋ではじめじめしていて気持ち悪いと感じることも。事故物件というだけで部屋の印象が変わってしまうため、家賃を下げて霊などを気にしない人に住んでもらうようにしているようです。
事故物件を確認する方法
賃貸物件を契約する際に、もしかしたら事故物件かもと思うことがあるかもしれません。そういった場合に調べる方法を紹介します。
賃貸契約する前に一度確認しておきましょう。
事故物件専用サイトをチェック
事故物件と言えば「大島てる」を思い浮かべる人も多いと思います。「大島てる」は人名でもあり、サイト名でもあり、サイトを運営している企業名でもあります。サイト内では地図に事故物件が示されているので、建物名と事故の詳細が載っていることも。自身の住んでいる物件の確認もできますし、これから引っ越す先の物件を確認することも可能です。最近では日本を越えて世界の事故物件も掲載されているので、海外へ旅行や移住を検討している場合にも利用してみるといいでしょう。
仲介会社に確認する
告知義務がありますので、聞けばおしえてくれます。仲介業者まで伝達されていない場合は大家に確認を取ってもらえるので、直接聞いてみるといいでしょう。曖昧な回答の場合は、他の不動産会社や建物の入居者に聞いてみると知っているかもしれません。物件の名称でサイト検索するのもおすすめです。大きな事件や事故の場合はニュースや記事になっている可能性が高いためヒットすることもあります。自然死や孤独死の場合は見つけられにくいことも。大きな事故や事件があった場合、物件名を変えている場合がありますので注意しましょう。
大手不動産サイトで調べる
大手の不動産ポータルサイトでは、事故物件だけで検索できるサイトもあります。瑕疵物件と記載されている場合や心理的瑕疵ありと記載されている場合もありますので、条件検索をする際はいろんなキーワードで調べてみましょう。もし「大島てる」で事故物件と発覚した物件が大手不動産サイトに告知記載がなかった場合は、家賃の値下げを交渉できるかもしれません。一度相談してみると安くなるかもしれません。
家賃相場を比較する
事故物件は2~3割安くなるため、周辺地域の同じ間取りの部屋相場を確認しておきましょう。相場では100,000円の物件が70,000円になっていたり、50,000円平均が35,000円になっていたりする場合は一度確認しておくのがベストです。築年数が古いだけで安くなることもありますが、ここまで大きな差はありません。心理的瑕疵がなくとも、環境的瑕疵や物権的瑕疵の可能性もあります。
リフォームされている場所を想像してみる
2部屋あるのに1部屋だけがキレイにリフォームされている場合、その部屋はどんな部屋だったか考えてみましょう。普通にリフォームしただけということもあるかもしれませんが、畳1~2だけがキレイになっている場合は、孤独死の可能性があります。ちなみに、壁紙が全面新しくなっているのではなく、一面だけ変えられている場合は関係ありません。アクセントクロスというオシャレなリフォームの可能性があります。
お風呂場だけが新品になっているときは要注意です。お風呂の中で亡くなっていた場合はユニットごと全部を取り替える必要があるので、風呂場が丸々キレイになっている傾向にあります。「一部リフォーム済み」と記載のある物件は少し疑ってみたほうがいいでしょう。
フリーレント物件になっている
フリーレントとは、家賃が1か月ほど無料になると謳っている物件のことです。空き家になって期間が空いている物件や立地が悪く選ばれにくい物件に1か月のフリーレントを付けられたりするのですが、3か月分ついている物件はそれ以外の可能性があります。事故物件の場合は長めに付けられていることもありますので、フリーレントの期間が長い理由を聞いてみてもいいかもしれません。
定期借家になっている
定期借家は住める期間が最初から決まっている物件のことです。一般的な賃貸物件では2年契約・更新ができますが、定期借家は延長ができません。事故物件になってしまった部屋は一度別の人が住めば告知義務がなくなります。そのため、一定期間だけ安い賃料で住んでもらって、時期が来たら退去させ、事故物件と記載なしに広告を出すという、部屋のロンダリング手法の可能性が高いででしょう。
定期借家は建物の取り壊しなどの可能性もありますので、理由を確認しておくと安心です。
事故物件に住むリスクとは?
事故物件は大きな事件や事故でなければ、安い賃料で住めるのでお得ではありますが、リスクはあるのでしょうか?
物件の内覧だけでは分からない、住み続けると出てくるデメリットを調査しました。
体調不良や良くないことが起きる
事故物件に住んでいて起こる怪奇現象で一番多いのが「誰もいないところから物音がする」こと。足音だったり、ラップ音だったり、オルゴールが突然鳴りだしたりということもあります。人の気配を感じたり、金縛りにあったり、事故物件での怪奇現象は少なくありません。
住み始めは問題なくても、日を追うごとに体調が崩れて気が落ち込んでしまったという人もいます。霊のせいだという人もいますが、事故物件に住んでいるという意識から緊張感が高まって精神的な疲れや、気分の落ち込みという形で影響している可能性もあります。表面的には大丈夫だと思っていても、精神的に疲弊してしまうこともあるようです。
良くない雰囲気が伝染する
同じ建物内で暮らしている人達も、同じような精神的な苦痛や疲弊を受けている可能性があります。自分は立ち直ったとしても、周りの人が引きずっている状態が続けば悪い雰囲気が伝染して、ずっと抜け出せなくなってしまうでしょう。不のオーラが漂っている環境では小さなことでのトラブルが発生しやすいデメリットもあります。自分だけではどうにもならない環境的瑕疵になっている可能性がありますので、注意しましょう。
事故物件は安くいというメリットもありますが、人によっては体調を崩してしまうこともあります。
何も起きないという人もいますので、興味がある方は一度自己責任で住んでみるといいかもしれません。